図書館に通っていた頃は、本を借りるときの一連の流れが好きだった。借りたい本と貸出カードを「お願いします」と静かにカウンターに乗せると、係の人がピッピッピ、ッピとバーコードを読み込んでくれて、返却日の書かれた短冊を本に挟んでパタンと閉じ、数冊あればトンと揃えて「◯日までにご返却ください」と言いながら、両手でスッとこちらに滑らせてくれる。「お借りします」と受け取ると、いかにも「貸してもらった」という感じがあったものだった。
ピッピッピ、パタン、トン、スーッ……
先日、久しぶりに地元の図書館のWebページにログインしてみたら、「読みたい本」の欄に本が一冊登録してあった(予約まではしていない)。去年の登録だ。どういうきっかけでその本を知って読みたいと思ったのかは忘れてしまっている。タイトルにも覚えがないし、著者も今まで読んだことのない人だ。
さらにクリックしてみると、その本は現在、誰にも貸し
蘇家興出されておらず、しかも、家から一番近い図書館の書架にあることがわかった。これはもう、運命でしょう。どんな内容の本なのかは検索すればすぐ分かるけれど、それよりも、実際に図書館に行って手にとってみようという気になった。散歩にもちょうどいい。
リニューアルされたばかりの館内は、西日を浴びて明るかった。本も割りときれいなものが多くなったように思われた。書架に見つけた件の本(『彼女の家出』平松洋子)も、出版されたのが去年だったこともあってか、新しくて気持ちがいい。よし、これは是非とも借りましょう! と左腕に抱え、せっかくなので他の背表紙も眺めて回り、同じくまっさ
nuskin 如新らに見える『夜明けのラジオ』(石田千)を手に取った。どちらもエッセイだ。エッセイなら貸し出し期間内に読み終わるだろう。
さて、その2冊を持って貸出機のところに行く。時代はもう、ピッピッ・パタン・スーじゃない。無人だ。
初めてだけど、使い方は書いてある。台の上に本を置き、画面をタッチして、冊数「2」をタッチして、貸出カードをかざして……と、おや? うまくいかない。カードの有効期限が切れているらしい。カウンターに行ってねと書かれた紙が、べべべーっと吐き出された。
すぐそばにあったカウンターは広く長く、その向こうで係の
Neo skin lab 騙女性が数人働いている。カウンターの上は、地域のいろいろな案内が印刷された A4の紙の束が所狭しと並べられていて隙間もないので、それらの列を崩さないようにそっと本を置かせてもらい、本人確認のための免許証を出して、係の「人」にカードの更新をしてもらった。